名古屋へ逃げた探偵さん
 真実

結局、同僚さん。っていうか、本当は同僚ではなかったのですが・・・。
この本物の探偵さんとは2時間近くお話ししてしまっていたのです。
わたしのあまりのショックぶりに、最後にはごめんね、なんて謝ってくれたりして。

わたしは、本当のことを聞けて良かったです、とお礼を言って、この日、頭を整理しながら家に帰ったのでした。
探偵さんは、もしなにかあったら相談に乗るから、と、連絡先を交換して。
最後に、“調査の営業じゃないからね。”と冗談まじりに言ってくれたので、なんとか笑顔を取り戻すことができたのですが。

とりあえず、カレには探偵さんと会ったことを隠し、“会いたい”とだけメールしました。
今日は疲れてるから、明日ならいいよ、とハート付きのメールが・・・。
絵文字なんて珍しい。
逆に怪しいって思われるって、わかってないのかな?

急いでも仕方がないので、なんとか腹の立つ気持ちを押さえ、翌日、仕事終わりにそのままカレのアパートに行ったのです。
なんの疑いもなく、仕事を早く終えて、わたしを待っていたカレ。
いきなり、わたしから“コンパって、どういうこと?”と聞かれ、動揺しまくっていました。
たぶん。
情報がどこから入ったのか、わたしがどこまで知っているのか、わからなかったから、余計に混乱したんでしょうね。

その気持ちを利用して、わたしはカレの真実を聞き出したのです。
なんでも、最近、探偵さんブームなんだとか。
そう言えば、ちょっと前に映画とか、ドラマで探偵さんが主役のもの、いくつかあったなぁ、なんてぼんやり頭をよぎりました。
それで、話題作りのために友達からカレが呼ばれ出したのだとか。
最初は、わたしのことを考え、断っていたそうなのですが、カレの好きなアイドルグループ。
このメンバーの中の一人に似た子が来る、とそそのかされ、思わず乗ってしまったのがきっかけだったみたいなのです。あきれますよね。

いざ、コンパに出てみると、探偵っていうだけで、女の子が寄ってきたといいます。
いつも、そんなタイプではなかったカレ。その状況にはまってしまったそうです。
ただのバカ?

じつは探偵さんじゃないクセに・・・。
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