名古屋へ逃げた探偵さん
 名古屋に逃亡

カレからある程度の事実を聞いたわたし。
それまでの気持ちが一気に冷め、しかも嘘まで付かれていたのですから、腹が立つのなんの。
その気持ちを誰にもぶつけることが出来ず、思わずカレの同僚、探偵さんにメールしていたのでした。
長くなるので、“やっぱり、嘘つかれてました・・・。”とだけのメール。

探偵さんはすぐに電話をかけてくれて、良かったらどこかで会いましょうか?と優しい言葉をかけてくれたので、わたしは甘えることにしたのです。
カレの口から語られたことを、そのまま探偵さんに話しました。
カレから、コンパに行って、最近モテ期がきたってことはちらっと聞いたと言っていましたが、それが探偵という職業のお陰だということまでは聞いていなかったそうです。

これはマズいよな、という同僚さん。
そんな風に、人に話されると、事務所のイメージダウンにもつながる、と。
そりゃ、本来であればあまり人に話すことではないですよね。
モテるかなんか知りませんが。

もし、カレが事務所の名前を言ったり、調査内容で聞いただけのことを自分のことのように話しているのであれば、もっと問題になる、というのです。
確かにそうですよね。

結局、この同僚さん。
事務所の代表さんに、カレのことを話したそうです。
もともと苦手だった代表さんから怒鳴られたカレ。
それから、辞める意思すら伝えずに、事務所を辞めてしまったそうです。
当然、その月に配ったチラシ分のアルバイト料をとりにくることもなく。情けないやら、悔しいやら。

同僚さんと代表さんは、カレのアルバイト料をわたしに託しました。
カレの家に届けて、もしいればいっぱい文句を言ってやれ、もしいなければ、自分のものにしなさい、と。カレのお弁当代にもならなくて申し訳ないけれど、と補足して。

その日、カレのアパートを訪ねると、部屋は開いていたのです。
たぶん、逃げたんでしょうね。

わたしは、お弁当代に、カレのアルバイト料を有り難くいただくことにしました。
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