名古屋へ逃げた探偵さん
 モテ期

同僚さんはチキンカツ、わたしはオムライスを注文。
食後は同じカフェオレを頼んだ。
料理が運ばれてくるまでの間、同僚さんはなにかを話そうかどうか、迷っている感じだった。

その同僚さんが最初に質問してきたのが、わたしがカレの彼女かどうか?ということだった。
わたしは、あの探偵仲間との飲み会のときに、みんなに話しているものだと思っていたので、思わず、“あのとき、聞いてなかったんですか?”と言ってしまったのです。

同僚さんは、“あのときって、最初に会った日のこと?”と、逆質問。
わたしが、カレが参加した探偵仲間との飲み会のことを言うと、同僚さんがかなり驚いた表情をしたのです。
“そんな飲み会はしたことがない”と。
しかも、カレとは一度も飲んだことがないのだ、というのです。

それに、最初に会った日に、もしかして彼女?と聞いたら、カレは、“友達”だと答えたのだとか。わたしは血が逆流してくるような感覚になりました。

さらに同僚さんから、驚きの事実が語られたのです。
なんと、カレ。
最近はコンパに出かけていくのだとか。
何度かチラシを取りにきたカレと事務所で会ったとき、あまりに嬉しそうだったので、いいことあったのか聞くと、“最近、モテ期なんっすよ”なんて、答えたらしいのです。
これほど、情けなくて恥ずかしい思いをしたことがあったでしょうか。

さらにこの同僚さんが教えてくれたこと。
さっき、探偵仲間って言ってたけど・・・、と前置きをして、実はカレが探偵さんの事務所のチラシ配りのアルバイトなんだ、と教えてくれたのでした、カレがわたしになんて説明したかはわからないけれど、一応事務所の名誉のために、なんて、言われてしまったのです。

もう、ショックでしたね。
わたし、1年半もカレの探偵の話しを楽しみにして、お休みの日はいつもカレのためにお弁当をつくってきた、というのに。

最初は、言い出しにくいにしても、それだけ付き合えば、いくらでも本当のことを言うチャンスはあったのに・・・。
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